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【1 分解説】デキュムレーションとは?

村上 隆晃

  音声解説

デキュムレーション(decumulation)とは、資産形成期に積み上げてきた金融資産を、その後、計画的に取り崩し、生活費や目的資金として活用していくプロセスを指します。米英では国の政策対応や金融機関の商品供給が進むなど注目度が高まっています。資産形成(アキュムレーション、accumulation)の反対概念であり、「いくら増やすか」ではなく「いつ・どのくらい・どの資産から使うか」が核心となります。

具体的な取組みには、年金受給と金融資産の取り崩しの組み合わせ、定額・定率の引き出し方法、運用を続けながらの部分的取り崩しなどが含まれます。重要なのは、資産残高そのものよりも、長寿リスクや市場変動リスクに耐えながら、生活の安定と心理的安心感を両立させる点にあります。

今後、デキュムレーションは金融商品の設計、アドバイスのあり方、さらには国のファイナンシャル・ウェルビーイング政策とも深く結びついていくと考えられます。資産寿命を数値で示すだけでなく、「安心して使える感覚」や「人生の満足度」を重視する視点も不可欠になるでしょう。蓄えた資産を「上手に使うこと」が、これからの金融リテラシーにとって重要な要素になっていくと考えられます。デキュムレーションは、単なる「資産の消費」ではなく、人生後半の選択肢を支える戦略的マネジメントだと言えるでしょう。

この解説は2026年1月時点の情報に基づいたものです。

村上 隆晃


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

村上 隆晃

むらかみ たかあき

総合調査部 研究理事
専⾨分野: well-being、生命保険マーケティング

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