よく分かる!経済のツボ『コロナ禍を男性の育児参加促進の契機に』

奥脇 健史

目次

コロナ禍における家族と過ごす時間の増加

新型コロナウイルス発生から約2年がたち、私たちの生活は大きく変わりました。テレワークの浸透など働き方の変化とともに、家族との時間にも変化が起きています。内閣府の調査では、21年9、10月時点で、18歳未満の子を持つ親の約半数が感染拡大前よりも家族と過ごす時間が「増えた」と回答しています(資料1)。また、「増えた」と回答した人の9割以上が現在の家族と過ごす時間を保ちたいと回答するなど、家族との時間を重視する姿勢が強まっています。それに伴い、家事・育児の時間も変化しており、同調査では男性の38.0%、女性の43.9%が感染拡大前よりも「増えた」と回答しています。コロナ禍を通じて、より家庭に時間を割けるようになっていることがうかがえます。

男性の育児参加を法改正も後押し

世界的にも同様の動きがみられます。国連機関であるUN Womenの調査によると、男性、女性ともに、多くの国で感染拡大前よりも子供の世話に費やす時間が増加しています(資料2)。一方で、その時間には男女間の格差が散見され、日本においては週に10時間程度、女性のほうが多くなっています。

このような中、男性の育児休業取得促進などを目的に育児・介護休業法が改正されました。背景には、男女間で育休取得率に大きく差があるなかで(20年度の取得率は男性:12.7%、女性:81.6% 厚生労働省「雇用均等基本調査」)、妊娠・出産を機に退職をする女性や育休を取得したくても取得できない男性が一定数いることなどがあります。改正法は本年4月より順次施行され、育休を取得しやすい雇用環境整備などが事業主に求められるほか、育休とは別で取得可能な「産後パパ休暇」の創設などが行われます(資料3)。

家事・育児の男女間格差が大きい日本において、コロナ禍での家族との時間の増加や育児・介護休業法の改正は、男性の育児参加の後押しになると考えられます。これらをきっかけに、多様な人材が自身の望む形で活躍できる社会に近づいていくことが期待されます。

家族と過ごす時間について(18歳未満の子を持つ親)
家族と過ごす時間について(18歳未満の子を持つ親)

子供の世話に費やす時間の国際比較(週平均)
子供の世話に費やす時間の国際比較(週平均)

育児・介護休業法改正の概要
育児・介護休業法改正の概要

奥脇 健史

奥脇 健史

おくわき たけし

総合調査部 マクロ環境調査G 副主任研究員
専⾨分野: 日本経済短期予測(~21年6月)、労働政策、国際経済(21年7月~)

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