【1分解説】ベアとは?

奥脇 健史

  音声解説

ベアとは「ベースアップ」の略で、社員の基本給の水準を一律で引き上げることを指します。いわゆる「賃上げ」に関わる施策で、毎年春闘の時期を中心にメディアなどで注目されます。その他の施策には「定期昇給(定昇)」もありますが、定期昇給が各企業の賃金制度のもと年齢や勤続年数などに応じて昇給を行うものであるのに対し、ベアは各企業の賃金カーブそのものを引き上げる施策となります(資料)。

ベアは社員の待遇改善につながる一方で、企業にとっては人件費の増加になります。また一般的に、一度上げた給与水準を下げることも困難です。そのため、バブル崩壊以降、日本経済の低迷やデフレが続くなかでベアに対する企業の消極的な姿勢が続きました。

物価上昇や諸外国と比較して低迷する日本の賃金水準に注目が集まるなかで、2023年の賃上げ率は約30年ぶりの高水準となりました。2024年もデフレ完全脱却に向けて、ベアを中心とする賃上げを政府や労働組合の全国組織である連合に加え、経団連をはじめとする経済団体も広く呼びかけています。このような状況のなか、人材の確保や「人への投資」の観点からベア実施を表明する企業が増加しています。高まった賃上げ機運が今後も継続していくかが注目されます。

図表1
図表1

この解説は2023年3月に公表した後、2024年3月時点の情報に基づき改訂したものです。

奥脇 健史


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

奥脇 健史

おくわき たけし

総合調査部 マクロ環境調査G 副主任研究員(~23年3月)
専⾨分野: 日本経済短期予測(~21年6月)、労働政策、国際経済(21年7月~23年3月)

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