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【1分解説】 アンチ・ウォーク(Anti-Woke)とは?

田村 洸樹

  音声解説

ウォーク(Woke)とは、「Wake:目を覚ます」に由来した言葉で、「社会で起きている問題に気づこう(目を覚まそう)」という意味があります。人種や性別に関する偏見や差別などの社会問題への注目を呼びかける「ポジティブな合言葉」として、欧米を中心に使われてきた言葉です。例えば、黒人に対する差別や暴力の撤廃を訴える「BLM(Black Lives Matters)」などの主張が該当します。

近年、ウォークに賛同する人たちや活動を揶揄する「アンチ・ウォーク(Anti-woke)」という言葉に注目が集まっています。アンチ・ウォークは、ウォークによってマイノリティ(少数派)が過度に優遇されて、マジョリティ(多数派)の権利や価値観を蔑ろにしているとの思想に立ちます。例えば、BLMに対して、「White Lives Matters(白人の権利を蔑ろにするな)」と主張することなどが該当します。

ウォークに対してアンチ・ウォークという言葉が使われる背景には、政治や社会の分断が広がっていることがあると考えられます。一部の国では、「アンチ・ウォーク」が政治的スローガンに利用されるケースも目立ちます。このような両極端な思想の対立は、社会・文化的な分断を助長する可能性があります。多様性・公平性・包括性などの社会課題は、異なる立場や視点の主張を考慮した多角的な議論が必要です。

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この解説は2024年4月時点の情報に基づいたものです。

田村 洸樹


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