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【1分解説】ニューロダイバーシティとは?

摩尼 貴晴

  音声解説

ニューロダイバーシティとは、「Neuro(脳・神経)」と「Diversity(多様性)」が組み合わされた言葉で、神経多様性とも呼ばれます。これは「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方です。特に、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症といった発達障害において生じる現象を、個人の能力の欠如や優劣ではなく、「人間のゲノムの自然で正常な変異」として捉える概念でもあります。

つまり、ニューロダイバーシティの考え方においては、発達障害はネガティブなものではなく、社会で生かすことのできる「個人の特性」としてポジティブに捉えます。近年では、発達障害などの人々が持つ高い集中力や知識を、人工知能(AI)やサイバーセキュリティといったテック業務で生かす取組みも広がりつつあります。

これまで企業は、全ての項目で評価の高い人材を採用する傾向にありましたが、今後はイノベーション創出の観点から、特定の項目に極めて高い能力を発揮する、尖った人材の採用が欠かせません。まさに多様性の尊重を基礎としたニューロダイバーシティは企業の成長戦略の一つとして重要性が高まっていると言えそうです。

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この解説は2024年2月時点の情報に基づいたものです。

摩尼 貴晴


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