「DEI&B(Diversity, Equity, Inclusion and Belonging)」とは、D＆I（多様性と包摂性）にEquity（公平性）が加わったDE&Iに、会社への帰属意識を表すBelonging(以下、ビロンギング)が新たに加わったコンセプトです。ビロンギングとは、従業員がありのままの自分で周囲に受け入れられ、会社に居場所があると感じられる状態を表す考え方です。

欧米を中心にDEI&Bの意識が高まる背景には、新型コロナウイルス感染症蔓延を機に、働き手の人生観が変わったことが要因とされています。リモートワークによって会社への帰属意識が薄れ、パンデミックを経験し多くの人が人生やキャリアを見直すようになったとも言われています。その結果、欧米では従業員が大量に退職する「The Great Resignation(大量退職時代)」と呼ばれる社会現象にも直面しています。そこで、従業員のビロンギングを向上しようと取組みを推進する欧米企業が出てきています。

ビロンギングを高めるためには、従業員が組織において不可欠な一員であると感じる環境を作る必要があります。米大学の調査では、ビロンギング向上に有効な取組みとして、「職場の心理的安全性を確保する」「チームワークを促す」「就業時間に社交の場をつくる」等を挙げています。