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【1分解説】人工衛星とは?

重原 正明

  音声解説

人工衛星とは、惑星、主に地球の周りを回る人工物です。ただしロケットの残骸など人工物でも目的を失ったものはスペース・デブリとして区別されます。

人工衛星は飛ぶことによる遠心力と重力とがつりあって宇宙空間中に留まっています。ただ人工衛星の飛ぶ高さでも抵抗があり、そのままでは高度が下がっていくので補助動力で軌道を修正する必要があります。

人工衛星は地上との通信や自身の制御のためエネルギー源を必要とします。現在は通常太陽光をエネルギー源としますが、衛星が地球の影に入った時は太陽電池が働かないので充電池を積んでいます。その他、制御回路やセンサー、通信回路やアンテナ、補助動力などで衛星は構成されます。これら、特に電子回路は宇宙の激しい放射線に耐えることが求められます。

人工衛星を宇宙に飛ばすには大きな力が必要なので、その重さは重要です。ひまわり8号・9号の重さは3500Kgですが、CubeSatという 1Kg程度のものもあります。CubeSatとは大学の実験用などに手軽に使われている箱型の人工衛星で、大衛星のロケットに相乗りして打ち上げられます。

民間の宇宙開発で様々な試みが行われますが、人工衛星の打ち上げには上記を含む多くの要素が関係しています。試みを見る側も単に成功・失敗というのではなく、何がどこまでできたかを考えるとより深く理解できるでしょう。

この解説は2024年4月時点の情報に基づいたものです。

重原 正明


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