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【1分解説】衛星電話とは?

重原 正明

  音声解説

衛星電話とは、通常の携帯電話で使う地上の中継局の代わりに、人工衛星を中継局として用いる電話です。

人工衛星により個別の電話の電波を直接中継するサービスは1980年ごろから始まりました。赤道上高度36,000kmにある静止衛星を用いたサービスが先行しましたが、その後数百kmの低い高度に多くの衛星を飛ばし、携帯電話型の端末等で見えている衛星の電波を順次使っていく方式が実用化され、現在では両方式のサービスが提供されています。

衛星電話の最大のメリットは、中継設備がないところでも空が見えていれば通信が可能なことです。このため、災害時の連絡確保用や、資源開発・土木工事など人里離れた場所での活動時の連絡用、船舶電話などに使われています。近年はeメールなどのデータ通信も可能で、それを主体としたサービスもあります。

一方最大の問題点は料金が高額となることです。低高度の衛星を使うサービスでは1つの衛星がカバーする範囲が狭いため、世界でサービスを提供するために数十から数百の衛星を打ち上げ、維持することが必要です。十分な顧客が得られず倒産した会社もあり、通常の携帯通信網との住み分けが求められています。

この解説は2024年2月時点の情報に基づいたものです。

重原 正明


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