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【1分解説】資産運用立国とは?

鄭 美沙

  音声解説

資産運用立国とは、2023年6月に閣議決定された骨太方針2023にて実現を目指すと宣言された概念です。同方針には「2000兆円の家計金融資産を開放し、持続的成長に貢献する『資産運用立国』を実現する」と明記されました。家計の預貯金を投資に振り向けることが意図されています。実現方策としては、NISAの抜本的な拡充・恒久化や金融経済教育推進機構の設立、2022年11月に政府の「新しい資本主義実現会議」が策定した「資産所得倍増プラン」の実行等が挙げられました。

背景には、日本の家計金融資産の半分以上が現預金で保有されており、株式・投資信託・債券などに投資する割合が欧米諸国に比べて小さいことがあります。加えて、家計の投資は金融資産所得を増やすだけでなく、企業の成長を支えるリスクマネーの円滑な供給にもつながります。

個人投資家を呼び込むために、日本企業には魅力向上や分かりやすい情報発信が求められます。家計の資金を原資に企業価値を向上させる。その成長の果実を、配当など金融資産所得と賃上げを通じた勤労所得の増加にもつなげるといった好循環の実現が期待されます。

この解説は2023年8月時点の情報に基づいたものです。

鄭 美沙


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。