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【1分解説】骨太の方針とは?

松村 圭一

  音声解説

「骨太の方針」とは通称で、正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」と言います。年末の予算編成に向けて、政権の重要課題や政策の基本的方向性を示し、毎年6月頃に閣議決定されます。

首相が議長を務める経済財政諮問会議で策定作業を進めますが、会議のメンバーは他に財務大臣や経済産業大臣といった関係閣僚、日本銀行総裁、経済人や学者といった民間議員で構成されます。同会議が出来た際(2001年)の財務大臣だった宮沢喜一氏が、諮問会議の議論を「骨太」と表現したことから、「骨太の方針」と呼ばれるようになりました。また当時の小泉首相は、骨太の方針を「大きな傘」に例えています。

同方針の第1弾はその小泉政権下の2001年で、不良債権の抜本的処理や国債の年間発行額を30兆円以下にすることなどが盛り込まれました。また第一次安倍政権の2007年は「美しい国」や「戦後レジームからの脱却」を、民主党政権下での中断を挟んで第二次安倍政権最初の2013年には、アベノミクス「三本の矢」や今後10年の平均成長率目標(名目GDPで3%、実質で2%)などが示されました。岸田政権最初の2022年は「新しい資本主義」を掲げ、人への投資や賃上げなど、いずれも時の政権の目玉となる政策が盛り込まれています。

この解説は2023年6月時点の情報に基づいたものです。

松村 圭一


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