よく分かる!経済のツボ『持続可能な社会の実現に向けた「エシカル消費」』

奥脇 健史

目次

消費を通じた社会貢献である「エシカル消費」

気候変動や格差、人権の問題など、世界で様々な社会課題が顕在化する中、「エシカル消費(倫理的消費)」への関心が高まりつつあります。エシカル消費とは、「地域の活性化や雇用等も含む、人や社会・環境に配慮した消費行動」(消費者庁)のことです。持続可能な社会の実現に向け、消費者が身近にできる社会貢献として国・自治体が中心となり普及に取り組んでいます。エシカル消費には、環境に配慮したエコ商品や開発途上国の労働者の生活改善を目指すフェアトレード商品の購入、地域活性化につながる地産地消など幅広い事例が含まれます(資料1)。消費者庁の調査では、2019年度の「エシカル消費」の言葉の認知度は2016年度から6.2%ポイント上昇するなど、「エコ」、「フェアトレード」などを含むエシカル消費に関連する言葉の認知状況は徐々に高まっています(資料2)。

図表
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エシカル消費のさらなる普及に向けて

一方で、エシカル消費に関連する言葉を知っている消費者でも、その半数以上がエシカル消費を「あまり実践していない」もしくは「全く実践していない」など、まだ普及途中の段階です(資料3)。エシカル消費のさらなる普及には、国・自治体による普及活動のほか、消費者側、商品・サービスを供給する企業側それぞれの視点での取り組みが求められます。例えば、消費者視点では、認証ラベル付きの商品や長く使える商品を選ぶこと、企業視点では、生産現場での環境負荷軽減や商品・サービスの表示などを通じた消費者への情報提供などが挙げられます。実際に企業活動においては、資源管理や環境配慮への取り組みを証明するエコラベル付きの商品を取り扱うことや自社の商品の売上の一部を途上国へ寄付する取り組みなどが行われています。

消費という日常の行動を通じて、身近なところから社会貢献に取り組むことのできる「エシカル消費」。持続可能な社会の実現に向け、消費者、企業、国・自治体が協力して取り組んでいくことが望まれます。

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奥脇 健史

奥脇 健史

おくわき たけし

総合調査部マクロ調査G 副主任研究員
担当: 日本経済短期予測(~21年6月)、労働政策、国際経済(21年7月~)

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