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- 【1分解説】二酸化炭素除去(CDR)とは?
CDRとはCarbon Dioxide Removalの略で、大気中の二酸化炭素(CO2)除去を指します。世界のCO2排出量は、新型コロナウイルスの流行下で2020年に一度減少したものの、その後2021年には再び2019年と同等の水準に戻っており、2050年ネットゼロ実現に向けた排出削減は不十分と見られています(資料1)。産業の中にはCO2 の排出削減が困難なものもあり、CDRはネットゼロへの切り札として期待が寄せられています。
CDRを実現するための技術は「ネガティブエミッション技術(NETs)」と呼ばれます(資料2)。陸上の植物や海洋といった自然によるCO2吸収を人為的に促進する方法と、大気中からCO2を分離したり地中に貯留したりといった工学的な方法の2種類に大別できます。
G7広島サミットでは首脳宣言に「二酸化炭素除去(CDR)プロセスの導入が、完全な脱炭素化が困難なセクターにおける残余排出量を相殺する上で不可欠な役割を担っていることを認識する」との一文が組み込まれるなど、CDRの重要性の認識は各国において急速に広がりつつあります。しかし、現状ではCDR単独では即時かつ大幅な排出削減には届きません。再生可能エネルギーの大量導入と化石燃料への依存低下というグローバルスタンダードから外れない努力が引き続き求められます。
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- 「【1分解説】温室効果ガス(GHG)とは?」(2023年6月)
https://www.dlri.co.jp/report/ld/253584.html
この解説は2023年12月時点の情報に基づいたものです。
牧之内 芽衣
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。