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2023.10.17
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【1分解説】社会保険の適用拡大とは?
谷口 智明
社会保険の適用拡大とは、パートやアルバイトといった短時間労働者が、一定の要件を満たすと、社会保険(厚生年金保険・健康保険)の加入対象になることを指します。
適用基準は、従来、フルタイムまたは週所定労働時間及び月所定労働日数がフルタイムの4分の3以上の労働者でしたが、政府はその範囲を段階的に広げてきました。現在、①従業員数101人以上の企業で、②週所定労働時間20時間以上、③月額賃金8.8万円以上(年収換算約106万円以上)、④雇用期間2か月超見込み、⑤学生でないという要件を満たすと加入が義務化されています(資料)。2024年10月からは、さらに企業規模要件が緩和され、従業員数51人以上の企業に拡大される予定です。
社会保険に加入すると、保険料負担が発生し手取り収入が減少するため、基準を超えないよう就業調整するといった「年収の壁」が課題とされていますが、将来受け取る年金額が増え、病気やケガ、出産で会社を休んだ際には手当の受給対象になる等、給付は充実します。
働き方が多様化する中、企業規模や雇用形態等を問わず、全ての労働者が社会保険に加入し、将来の安心と安定につながる保障を享受する。これは全世代型社会保障の目指す「勤労者皆保険」の姿であり、適用拡大はこうした姿を見据えた重要なステップといえるでしょう。
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この解説は2023年10月時点の情報に基づいたものです。
谷口 智明
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。