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【1分解説】実質賃金とは?

谷口 智明

  音声解説

実質賃金とは、労働者が実際に受け取った給与(名目賃金)から物価上昇分を除いたもので、購買力の実態を示す指標といえます。例えば、名目賃金が前年より増えても、物価上昇率が名目賃金の上昇率を超えていれば、実質賃金は減少します。実質賃金が減少すると、それまでと比べて購入可能なモノやサービスの量も減少するため、生活水準は低下してしまいます。そのため個人消費の動向にも影響します。そこで、現在の生活水準を維持・向上するためには、物価上昇率を上回る名目賃金の上昇、つまり実質賃金の増加が重要といえます。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査(令和5年12月分結果速報)」によると、名目賃金は前年同月に比べて増加しましたが、食料品や宿泊費、ガソリンの値上げといった物価上昇に名目賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は減少しました。実質賃金が月次でマイナスとなるのは、2022年4月から21か月連続です(資料)。

今後の実質賃金の動向を左右する要素としては、物価の安定とともに、労働生産性の向上や雇用形態の転換、中小企業への賃上げの波及等が考えられます。2024年春季労使交渉では、労使ともに昨年を上回る賃金引き上げの機運が高まっており、「物価高を上回る賃金増」が実現するのか注目されます。

資料 賃金の動き(労働者全体)
資料 賃金の動き(労働者全体)

この解説は2024年2月時点の情報に基づいたものです。

谷口 智明


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