- HOME
- レポート一覧
- ビジネス環境レポート
- 【1分解説】実質賃金とは?
実質賃金とは、労働者が実際に受け取った給与(名目賃金)から物価上昇分を除いたもので、購買力の実態を示す指標といえます。例えば、名目賃金が前年より増えても、物価上昇率が名目賃金の上昇率を超えていれば、実質賃金は減少します。実質賃金が減少すると、それまでと比べて購入可能なモノやサービスの量も減少するため、生活水準は低下してしまいます。そのため、個人消費の動向にも影響します。そこで、現在の生活水準を維持・向上するためには、物価上昇率を上回る名目賃金の上昇、つまり実質賃金の増加が重要といえます。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、物価上昇に名目賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は2022年4月から2024年5月まで26か月連続でマイナスとなりました。その後、春闘での大幅な賃上げによる夏冬のボーナス増加も寄与し、一時的にプラスに転じましたが、安定的なプラス基調には至っていません(資料)。
今後の実質賃金の動向を左右する要素としては、物価の安定とともに、労働生産性の向上や雇用形態の転換、中小企業への賃上げの波及等が考えられます。労使はじめ社会全体で賃金引上げのモメンタムを定着させ、「物価高を上回る賃金増」が継続的に実現するかが注目されます。

この解説は2024年2月に公表した後、2025年2月時点の情報に基づき改訂したものです。
谷口 智明
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。