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【1分解説】「106万円の壁」とは?

永原 僚子

  音声解説

「106万円の壁」とは、厚生年金や健康保険等の社会保険に加入する必要が生じる「年収の壁」の1つです。月額賃金8.8万円(年収106万円)以上、週20時間以上、勤務期間2か月以上の条件で、従業員数101名以上の企業に勤務すると、強制加入することになります。2024年10月以降は従業員数51名以上の企業に範囲が拡大されます。社会保険料の自己負担目安額は収入の約15%です。

加入要件を満たすと、扶養から外れて社会保険料負担が発生するため、パートタイムの主婦などが労働時間や年収を調整しながら働く「働き控え」につながっていると指摘されています。今年10月には最低賃金が全国平均で1,000円台まで引き上げられ、さらなる働き控えが懸念されており、政府は今年10月から106万円の壁を超えても従業員の手取りが減らない水準まで賃上げなどを行った企業に対して助成する方針です。

超えないよう調整されることの多い「106万円の壁」ですが、社会保険に加入すると国民年金に加えて厚生年金も受給できるようになり、将来受け取る公的年金額が増えます。また、万一病気やけがで働けなくなった場合に健康保険から傷病手当金を受け取ることもできます。人生100年時代、目の前の手取り額だけではなく、もっと大きな視点で考えてもよいかもしれません。

この解説は2023年9月時点の情報に基づいたものです。

永原 僚子


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。