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2023.07.18
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【1分解説】全固体電池とは?
重原 正明
全固体電池とは、液体を中に含まない、固体だけでできた電池のことです。
電池、特に充電できる二次電池においては、そのほとんどで、イオンという電気を帯びた粒子が+-の2極の間を動くことで、電気エネルギーを出し入れする仕組みとなっています。ところがイオンはそれ単独では不安定なものなので、通常の電池では電解質という液体を2極の間に入れてイオンを動きやすくしています。この電解質を液体ではなく完全な固体にしたものが全固体電池です。
液体を固体にするメリットとして、動作範囲の広さと扱いやすさがあります。液体の電解質は超高温では干上がり、超低温では凍ります。固体にすることで広い温度範囲で動作する電池ができます。また液体の電池では破損等により内部の液体が漏れることもありますが、全固体電池ではその危険もありません。一方、イオンの動きやすい固体電解質の開発、両極と固体電解質の接触をよくすることなどが課題とされています。
全固体電池の開発は、回路の固体化という意味では真空管からトランジスターへの置き換えと共通するものがあり、自動車メーカーが電気自動車での実用化目標を示すなど活用の動きも進んでいます。今後の開発に期待します。
この解説は2023年7月時点の情報に基づいたものです。
重原 正明
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。