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【1分解説】陸上養殖とは?

重原 正明

  音声解説

陸上養殖とは、海水または淡水に塩分などを加えたもの(いわゆる人工海水)を用いて、陸上で水産物を養殖することを言います。海水などを循環させる循環式と、使った水を排水するかけ流し式の2種類があります。

養殖される水産物としては、ヒラメ、トラフグ、サーモンなどの魚類、アワビなどの貝類、海ブドウなどの藻類のほか、エビやウニなど多岐にわたります。

陸上養殖は、人工的な環境の中で水産物を育てるため、温度や水質を管理しやすく、また衛生面の管理を行き届かせることで寄生虫のいない魚を育てることもできます。地球温暖化で日本近海の海水温が上昇するなど、海の環境が変化する中では、これらの特性は陸上養殖の利点であり、近年陸上養殖が増加している要因と考えられます。

一方で、一般に大がかりな設備投資が必要なこと、設備を動かすエネルギー費の上昇が懸念されること、養殖場の周囲の環境に影響を与えるおそれがあることなどは、陸上養殖の課題と言えます。最後の点などを考慮し、陸上養殖を業として行う場合は一部を除き水産庁に届け出ることが義務付けられています。

陸上養殖は食糧確保の選択肢を広げる技術です。その健全な発展を願うとともに、陸上養殖のみに頼る事態とならないよう、自然環境の保護にも留意する必要があるでしょう。

この解説は2025年10月時点の情報に基づいたものです。

重原 正明


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

重原 正明

しげはら まさあき

総合調査部 政策調査G 研究理事
専⾨分野: 社会保障、リスク管理・保険数理

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