- HOME
- レポート一覧
- ビジネス環境レポート
- 【1分解説】フィジカルAIとは?
フィジカルAIとは、AIがロボットや機械に搭載され、現実世界で自律的に判断し具体的な作業を実行できるAIです。これまで主に文章や画像などデジタル情報を扱ってきた生成AIが「頭脳」だとすれば、フィジカルAIは「頭脳」と「手足」を一体化した存在と言えます。
経済の観点から最も期待されているのが供給制約の緩和と生産性の向上です。日本では人手不足が深刻化し、物流(搬送・仕分け)、製造(組立・検査)、建設(資材運搬・測量)、インフラ保守(点検)、介護など現場業務のボトルネックが成長の阻害要因となっています。フィジカルAIにより供給能力が増えれば、これらの制約は緩和されます。また、フィジカルAIは単なる省人化だけでなく、夜間・休日運転による稼働率向上や、ばらつき減少による品質安定なども見込め、同じ人員でもアウトプットを増やせます。このように、フィジカルAIは労働力不足の緩和と生産性向上という日本経済の大きな課題に対する解の一つになり得るとして期待されています。
一方、フィジカルAIの普及に際しては、安全責任の所在、誤作動リスク、サイバー攻撃、電力確保などの課題が残ります。また、労働の置き換えが進むことで失業が増える可能性があるため、リスキリングや職業教育といった労働移動を円滑にする政策対応も必要になるでしょう。
この解説は2026年1月時点の情報に基づいたものです。
新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。