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【1分解説】 X Readiness Level(XRL)とは?

田村 洸樹

  音声解説

X Readiness Level(XRL)とは、イノベーションの社会実装に向けて重要な5つの成熟度レベルの総称です。具体的には、①技術成熟度レベル(TRL:Technology Readiness Level)、②事業成熟度レベル(BRL:Business Readiness Level)、③ガバナンス成熟度レベル(GRL:Governance Readiness Level)、④社会成熟度レベル(SRL:Social Readiness Level)、⑤人材成熟度レベル(HRL:Human Resource Readiness Level)の5つを指します(資料1)。

例えば、BRLの最も低いBRL1は、潜在的課題や顧客・解決方法等が発見された基礎研究フェーズに該当します。BRL4になると、試作品を用いた疑似体験によって提供価値が想定顧客にとって有用であることが実証された応用フェーズに該当します。BRL7になると、事業計画が策定された実装フェーズに該当します。最も高いBRL9になると、売上高等が健全に成長している安定成長の状態に該当します(資料2)。

XRLは、第3期(2023年-2027年)戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で初めて取り入れられた考え方です。従来のSIPプロジェクトでは、TRLのみが重視されていたため、それ以外の分野で社会実装が進まないという課題がありました。XRLを用いた、取組課題の洗い出し・ロードマップの作成等を通じて、社会実装に向けた課題の解決が進展することを期待します。

資料1 社会実装に向けた5つの成熟度レベル(指標)
資料1 社会実装に向けた5つの成熟度レベル(指標)

(出所)内閣府(2022)「SIPの検討状況について」より抜粋

https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/taskforce/smartbousai_3/siryo5.pdf

資料2 BRL (Business Readiness Level) モデル
資料2 BRL (Business Readiness Level) モデル

(出所)独立行政法人環境再生保全機構(2023)「サーキュラーエコノミーシステムの構築2023年度公募要領」より抜粋

https://www.erca.go.jp/erca/sip/pdf/public_offering_youryou.pdf

この解説は2024年5月時点の情報に基づいたものです。

田村 洸樹


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

田村 洸樹

たむら ひろき

総合調査部 主任研究員
専⾨分野: 国際政策、環境・エネルギー

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