2022年度補正予算案のポイント

~予備費補充が主目的、本丸は6月策定の経済対策~

星野 卓也

要旨
  • 政府は17日に2022年度補正予算案を閣議決定。4/27決定の原油高・物価高対策に基づく予算だ。対策の多くは予備費によって既に実施が始まっているが、今回の補正予算はその予備費消化分の補填が主な目的となる。
  • 政府は6月にも「新しい資本主義」を主軸に据えた経済対策を第二弾対策をとりまとめへ(成立・実施は参院選後)。脱炭素など、政府による投資拡大がメインテーマとなる見込み。アメリカやEUでも脱炭素をはじめとした社会課題解決に向け、財政支出を拡大させる動きがみられてきたが、日本もこうした“大きな政府”の世界潮流へ舵を切ることとなる。
目次

補正予算案を閣議決定

政府は17日に2022年度補正予算案を閣議決定した。4/26に決定した『コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」』に基づく補正予算になる。補正予算のフレームは資料1の通り。4/27に公表したレポート1での想定と同様だ。予算の追加歳出は2.7兆円と、規模としては小ぶりだ。今国会(会期末は6/15)での成立が図られる。

今回の補正予算の主目的は物価高対策ですでに消化した予備費の補充になる。4/26決定の対策における5月分の燃料油価格抑制対策(一般予備費を利用)や、低所得子育て世帯への給付金・地方創生臨時交付金など2(コロナ予備費を利用)に充てた予備費を補正予算で再度計上し直す形となっている。また、従来のコロナ対策予備費をコロナ・物価高対策予備費として使い道を広げ、柔軟に活用できるように改組している。

資料1.2022 年度補正予算案のフレーム(億円)
資料1.2022 年度補正予算案のフレーム(億円)

資料2.補正予算フレームの推移(兆円)
資料2.補正予算フレームの推移(兆円)

本丸は6月とりまとめ見込の第2弾経済対策

政府は今年の経済対策を今回の第一弾、6月にもとりまとめが見込まれる第二弾(予算成立・実施は参院選後)の二段構えとする方針で、本丸は第二弾となる。中長期の施策が中心になる見込みであり、16日の経済財政諮問会議で示された骨太方針骨子案では、新しい資本主義に向けた対応として、人への投資、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップへの投資、グリーントランスフォーメーション(GX)への投資、デジタルトランスフォーメーションへの投資(DX)が列挙されている。グリーン化に関しては自民党が10年間で20兆円の財政支出を求める提言案をまとめたと報じられており、経済対策においても反映がなされる見込みだ。アメリカやEUでも脱炭素をはじめとした社会課題解決に向け、大規模な財政支出計画を策定する動きがみられてきたが、日本もこうした“大きな政府”の世界潮流へ舵を切ることとなる。

以上

1 Economic Trends「物価高対応・総合緊急対策の解剖」(2022年4月27日発行)「https://www.dlri.co.jp/report/macro/186211.html
2 コロナ予備費の使用実績は財務省が公表している。「https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/sy220428.pdf

星野 卓也

星野 卓也

ほしの たくや

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測

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