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【1分解説】アセットオーナーとは?

河谷 善夫

  音声解説

アセットオーナーとは、実際に資産を保有して資産運用の領域に参加する機関投資家です。具体的には、企業年金や銀行、保険会社等の金融機関、財団等が該当します。資産を預け、その運用を委託する顧客のために、アセットオーナーは受託者責任に基づき資産を管理し、運用を行い、利益獲得を目指します。なお、企業年金では、運用については資産運用会社(アセットマネージャー)に運用を委託する場合が一般的です。アセットオーナーは、家計等から貴重な資産を預かる存在であり、その責務を果たすことは、国民の資産形成を進めるために極めて重要といえます。

このため、岸田首相は、2023年10月に我が国のアセットオーナーの改革に着手する方針を表明しました。これを受け金融庁は、同年12月13日に「資産運用立国実現プラン」を公表し、この中で資産運用業・アセットオーナーシップ改革を打ち出しました(資料)。アセットオーナーに関しては、アセットの運用・ガバナンス・リスク管理に係る共通の原則であるアセットオーナー・プリンシプルを策定すること、企業年金について資産運用力の向上、共同運用の選択肢の拡大、加入者のための運用の見える化の充実など改革を進めることとされています。

この解説は2024年4月時点の情報に基づいたものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。