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【1分解説】物流の2024年問題とは?

岩井 紳太郎

  音声解説

物流の2024年問題とは、働き方改革関連法によって2024年4月以降トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用されることで発生する問題の総称を指します。具体的には、労働時間の抑制によるトラックドライバーの収入減少や離職の加速、ドライバー1人当たりの走行距離が短くなることによる配送量の減少やそれに伴う運送・物流会社の売上・利益減少等が挙げられます。

国の「持続可能な物流の実現に向けた検討会」では、物流の2024年問題に対して何も対策を行わなかった場合、トラックの輸送能力が2024年には14.2%、2030年には34.1%不足する可能性があると試算しています。これに対して、政府は2023年10月に「物流革新緊急パッケージ」を発表しました。物流DXの推進等による「物流の効率化」、再配達削減のための取組み等の「荷主・消費者の行動変容」や、荷主・元受事業者の監視体制強化等による「商慣行の見直し」が掲げられています。

電子商取引(EC)が急速に拡大するなかで、物流の2024年問題は私たち消費者にとっても大きな問題です。持続可能な物流を実現するために、注文時における余裕を持った配送日時の指定や宅配ボックス・置き配の活用等、物流の負担軽減を意識して行動することが重要です。

この解説は2023年11月時点の情報に基づいたものです。

岩井 紳太郎


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