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時事雑感(2026年1月号)

嶌峰 義清

本経済研レポートは、新年号(2026年1月号)を迎えた。2025年を振り返ると、4月のトランプ関税、7月の参院選を受けた衆参両院での少数与党の確定、10月の女性初の首相の誕生、11月に入ってからの日中関係の悪化など、もっぱら国内外の政治の動きが目立った。一方で、景気には大きな変化はなく、食料品を中心とした物価高に歯止めはかからなかったものの、過去最高値を遙かに超えた株価の上昇が目立った1年だった。

来る2026年はどのような年になるのか。干支でいうと「丙午(ひのえうま)」となる。少子化が問題となる前の人口ピラミッドで、1年だけ凹んだ箇所が前回の丙午(1966年)に当たる(当時は「丙午生まれの女性は夫を食う」という迷信で出産が控えられた)。前年から始まったいざなぎ景気下の高度成長期で、重化学工業が景気を牽引した。3Cと呼ばれたカラーTV、クーラー、車(car)が爆発的に売れて家庭に普及し、輸出の拡大によって貿易収支や経常収支の黒字が定着し始めたのもこの頃だ。

2026年の景気はAI関連を中心としたハイテク分野や、環境関連技術が引き続き経済を牽引しそうだ。一方で、緊張する日中関係を含め、国際環境には不透明要因も多い。国内では、高止まりする食料品価格の抑制が重要課題で、円安に歯止めをかけられるかどうかも注目される。

ところで、株式市場では「午尻下がり」と言って、午年は冴えない展開になると言われてきた。実際、午年の株価のパフォーマンスは芳しくない(1950年以降の日経平均の干支別の変動率では唯一のマイナス)。ただし、60年前の丙午では、秋頃から株価は軟調に推移して前年末水準を下回ったものの、年末にかけて持ち直し、最終的に前年末を上回って終えている。行き過ぎた物価上昇率の抑制、国際緊張の緩和、成長分野への適切な投資などが進めば、2026年の丙午も“尻上がり”の株価が期待される。

(嶌峰 義清)

嶌峰 義清


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

嶌峰 義清

しまみね よしきよ

経済調査部 シニア・フェロー
担当: 経済・金融市場全般、地政学

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