消費者物価指数(全国・24年3月)

~電・ガス、円安、原油高、賃上げと上昇要因目白押し。物価高止まりリスクに要警戒~

新家 義貴

要旨
  • 24年3月のCPIコアは前年比+2.6%と、前月の+2.8%から上昇率が0.2%Pt縮小。電気・ガス代のマイナス寄与が縮小したことが押し上げ要因になった一方、①昨年の伸びが高かったことの裏が出たことで食料品の上昇率が鈍化したこと、②エネルギーや食料を除いたコアコア部分で緩やかな鈍化が続いたことが押し下げに寄与。
  • 企業の価格転嫁意欲がひと頃に比べて和らいでいることと、前年の伸びが高いことの裏が出ていることで、物価が緩やかな鈍化傾向にあるとの見方は変わらず。
  • 一方、先行きについては、物価の高止まりリスクが強まりつつある。5月に再エネ賦課金単価の引き上げ、6、7月に電気・ガス代負担軽減策の縮小・終了により電気代、ガス代は大きく上振れる。電気・ガス代の上昇がCPIを大きく押し上げる可能性が高い。また、足元の円安、原油高の進行から価格転嫁が再燃する可能性があり、コアコアにも上振れリスク。大幅賃上げによる人件費負担増を価格転嫁する動きが広がる可能性も。
  • CPIコアは年内+2%を割り込まない可能性が高い。

図表を含めた詳細についてはpdfファイルをご覧ください。

新家 義貴


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

執筆者の最新レポート

関連レポート

関連テーマ