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【1分解説】金融ジェロントロジーとは?

髙宮 咲妃

  音声解説

金融ジェロントロジーとは、ファイナンス(金融)とジェロントロジー(老年学)が交差する学問領域であり、米国で1980年代に確立されました。金融庁はファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター(慶應義塾大学)の定義を引用し、金融ジェロントロジーを「高齢者の経済活動、資産選択など、長寿・加齢によって発生する経済課題を、経済学を中心に関連する研究分野と連携して、分析、研究し、課題の解決策を見つけ出す新しい研究領域」と定義しています。

日本では足元で長寿化が進んでおり、現在60歳の人の約4人に1人は95歳まで生きるといわれています。一般的に認知機能は加齢とともに低下していきますが、個人差も大きくあります。現在の金融機関の投資勧誘等のルールは年齢基準で定められており、例えば75歳、80歳を超えると顧客の認知機能に関わらず、案内する商品を絞る等の対応を行っています。金融庁が2018年に発表した「高齢社会における金融サービスの在り方(中間的な取りまとめ)」にて示されているように、金融ジェロントロジーの研究が進むことで、現在のような一律の年齢基準で制限されず、個々の顧客の認知機能に応じて運用手段の選択が可能になると思われ、各金融機関を中心に研究が進んでいます。

この解説は2024年1月時点の情報に基づいたものです。

髙宮 咲妃


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