ライフデザイン白書2024 ライフデザイン白書2024

【1分解説】ストレッチアサインメントとは?

髙宮 咲妃

  音声解説

ストレッチアサインメントとは、別名「タフアサインメント」とも呼ばれ、意図的に本人の実力よりも困難でチャレンジングな仕事を任せることで成長を促す人材育成手法です。経済産業省が2022年5月に取りまとめた「人材版伊藤レポート2.0」の中で、社員エンゲージメントを高めるための取組みの1つとして挙げられるなど、企業のエンゲージメント向上施策として注目され始めています。

ただし、ただ単に負荷の高い仕事を任せるだけでは逆に「バーンアウト(燃え尽き症候群:ワーク・エンゲージメントの対極に位置する状態)」になるリスクもあります(Bakker,2005)。ストレッチアサインメントでエンゲージメント向上を目指す際には前掲書「人材版伊藤レポート2.0」に記載されているとおり、本人のキャリア志向に沿ったアサインメントであることは前提です。その上で、仕事ぶりに対するフィードバックをしっかり行う、上司や同僚からのサポートがある状態で行う、仕事の裁量権を与えるなどの環境作りも併せて重要となります。

資料 ワーク・エンゲージメントと関連する概念の整理
資料 ワーク・エンゲージメントと関連する概念の整理

【参考文献】

1) Bakker, A. B., Demerouti, E., & Euwema, M. C. (2005) “Job resources buffer the impact of job demands on burnout”

この解説は2023年11月時点の情報に基づいたものです。

髙宮 咲妃


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。