【1分解説】成長投資枠とは?

平岡 一弘

  音声解説

成長投資枠は、新しいNISA(少額投資非課税制度)の二つの投資枠の一つです。将来の成長を期待して一括払いで株式や投資信託に投資を行うための枠で、2014年に創設された一般NISAを抜本的拡充したものになります。非課税保有期間を無期限化、年間投資枠を240万円とし、さらに保有限度額は1,200万円となりました。(従来は期間5年で、年120万円、保有限度額600万円)

投資対象は上場株式・投資信託等となっていますが、長期投資にそぐわない整理・管理銘柄の上場株式や信託期間の短い投資信託など、一部除外しています。

さらに新しいNISAではつみたて投資枠を含めた、非課税保有限度額(総枠1,800万円)を簿価残高方式の管理とし、従来不可能とされた売却分の枠の再利用を可能にしました。

この点について金融庁は、金融機関による「成長投資枠」を使った回転売買への勧誘行為に対し監督及びモニタリングを実施するとして、適正な運用を促しています。 枠の再利用を活用すれば、例えば教育資金として資産をいったん売却した後に、その投資枠(簿価分)を翌年以降、老後のための運用に充てることも可能になります。

つみたて投資枠でコツコツとつみたて投資を継続しながら、好きなタイミングで成長投資枠でまとまった資金の運用をするなど、ライフプランに沿った柔軟なNISA活用が期待されます。

関連レポート

【参考資料】

金融庁「NISA特設ウェブサイト

この解説は2024年3月時点の情報に基づいたものです。

平岡 一弘


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。