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Well-being QOLの視点『人生100年時代、変化への対応』

菅原 仁志

目次

変化の時代、人が資本として再び主役へ

人財開発コンサルティング事業部に所属する私は、企業・団体の人事・労務担当者や経営層と対話する機会が多くあります。

環境変化(価値観の多様化、働き方改革、雇用延長、AI/IoT、SDGs、ESG)の中、健康経営、人的資本経営、更にはウェルビーイング(幸せで満ち足りた状態の持続)といったキーワードをテーマに相談を受けることが増えています。

企業の人財戦略・施策の多くが人(従業員)に焦点を向け、人は「消費される資源ではなく、永続的な成長を期待する資本」であると改めて定義し、専門部署やプロジェクトを設けてより具体的な対応策を模索しています。

人生100年、終わりのない生涯設計の再構築

このような環境下、私たちが長年取り組んできた3つの人生資産(健康、お金、つながり)に関心が集まっており、「各種の情報提供や研修を柱としたソリューション」をご提供しています。

グループ企業と連携して新しい制度を提案することもあります。また、お客さまと対話を重ねると、既に有用な施策や制度が存在するにもかかわらず機能していない、それ以前に従業員が認知していないケースも散見され、「制度を整理し、従業員へ語り直すお手伝いをさせていただく」だけでも効果を実感するケースもあります。

最近では、従業員の「若年層からミドル・シニア世代に対してもキャリアをどう再構築するか、また、世代やジェンダー間の溝をどう埋める、対応するか」という相談も増しています。人生100年ですからミドル・シニア世代ですら道半ば、将来に向けた生涯設計の再構築に終わりはないのでしょう。

変化への対応、企業も個人も一歩踏み出す

ウェルビーイングを実現する要素に「現状認識と将来不安の解消」があります。「過去と現在を見つめ直し、そして将来の不安要素を推察して対応策を検討する」ことがポイントです。

お客さまへのサポートを通じて、お金や健康に関してはステップを踏んで情報を積み重ねていけば課題が見えてくることは実感しています。しかし、キャリアについてはもう少し能動的な個人の対応や企業サポートが必要だと感じています。

どの年代においても、新しい知識・スキル獲得(リスキリング、リカレント)に向けて努力することが推奨されていますが、ハードルが高いのも事実です。組織の対応も規範やKPIと型を定める程に、新たな弊害リスク(それに沿わないと落ちこぼれ?)も増します。

最近、アンラーニング(学習放棄、学びほぐし)という言葉も聞きます。解釈は夫々でしょうが、終わりのない学び・成長、となると負担も増しますが、一度、過去の経験と常識を白紙に戻すことから始めると、その空白が光に見えると考えるとハードルも下がります。

これからも社会や価値観の変化・多様化はスピードを増すでしょう。「Well(良い)、being(継続)」ですから、長い目線で企業も対応を図り、個人も前に進むことが肝要です。

個人としては「ケセラセラ(なるようになる)」もありかと思います。過去の常識や成功体験に縛られず、変化を受け入れて現状を見つめ直す。企業も個人もまずは柔軟に考えることから始めては如何でしょうか。

菅原 仁志


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。