「新常態」は「幸せ」視点のライフデザインから

丸野 孝一

新型コロナウイルス変異株の流行と緊急事態宣言への慣れからか、感染者、重症者が日々増加している(2021年8月末現在)。弊社はこれまで、人生100年時代に向かうライフデザインの大きな変化を予測してきた。そこで導き出された人生の大切な要素である「健康」「お金」「つながり」のデザインに不安をもたらすものとして、高齢化だけでなく、新型コロナウイルス感染拡大の長期化が加わっている。

一方この期間、私たちは在宅勤務を推進せざるをえなくなり、結果として働き方改革やそれをサポートする企業内のデジタル化が一気に進んだ。個人の行動も大きく変容し、家族やコミュニティーとの関係が大きく変化している。

また、持続可能な社会に向け、地球環境変動への対応として個人にも行動変容が求められている。このようにニューノーマル「新常態」の生活に向け様々な環境変化が一気に進む中ではあるが、前向きなマインドセットを持ち、自分のキャリアも含めた新たなライフデザインをする絶好の機会が訪れたと考えることはできないだろうか。

弊社は2020年12月に「顧客視点での幸福度向上の課題に関する調査」を行った。その背景には、GDPなどの経済的な豊かさだけで表現できない、人々の幸福度や人生の満足度を示す「well-being」への関心の高まりがあった。この調査では興味深い内容が3点明らかとなった 。

1つめは、コロナ禍で大切な人々との絆や健康の重要性に向き合うことで、それらが自らの幸福度を高めることに必要な要素であることに気づいた人が多いということである。

2つめは、幸福のための新たな行動を起こした人、そしてそれを継続した人の幸福度が高いということである。

そして3つめは、この不透明な時期でもライフデザイン(仕事や家庭生活だけでなく、それぞれの人が目指す夢や目標を含む)を行っている人がより幸せであるということである。

さらに弊社では、本年10月中旬、2年ぶりのライフデザイン白書である『「幸せ」視点のライフデザイン』を発刊する。約2年間のコロナ禍での個人の行動変容と社会変化を合計4回の調査で定量的に捉え、一人ひとりの幸せにつながる多くの提言を行っている。前2回の白書では高齢化による社会環境変化、制度変化への対応が主な内容であったが、今回の白書ではそれら高齢化対応の提言に加え、Withコロナに起因した環境変化と個人の行動変容を調査し、「新常態」を予測した。コロナ後の超高齢社会において、多様な人たちと共生し、ともに幸せに働き、生活するために必要となるライフデザインの考え方、ノウハウが詰まった白書となった。ひとりでも多くの方に『「幸せ」視点のライフデザイン』を読んでいただき、この本から自律的に新しいライフデザインのヒントを選択し、行動を起こしていただくことを願って止まない。その一人ひとりの行動変容と習慣化の総和が、well-beingな社会につながっていくと信じている。

その観点に立ち、私たち第一生命グループは、お客さまとグループ社員をともに「幸せ」視点のライフデザインにもとづく行動変容・習慣化に導くことで、well-being な社会の創造に寄与できないかということを考え始めている。


1 第一生命経済研究所「Well-beingとライフデザインの幸せな関係」村上隆晃(2021年7月)参照

丸野 孝一

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