ライフデザイン白書2024 ライフデザイン白書2024

Well-beingとライフデザインの幸せな関係

~コロナ禍での幸福度上昇を持続させるためのヒントを探る~

村上 隆晃

要旨
  • 近年、GDPなどお金の面だけでは表せない人々の幸福度や人生の満足度などを示す「well-being」という考え方に国や企業の関心が高まっている。今年6月に公表された骨太の方針でも経済・財政運営の指針として、well-beingの実現が謳われており、幸福度の向上は我が国の政策運営という視点でも重要視されるようになっている。
  • 日本の幸福度は2020年に上昇したという調査があるが、この傾向が今後も続く保証はないため、本稿では研究所が独自に実施したアンケートを用い、日本でwell-beingを達成する人が増えるためのヒントについて、必要性認知、行動、継続という幸福度向上プロセスを想定し、その改善という視点から探る。
  • 調査結果からは、①人々がコロナ禍にあって大切な人々との絆や健康の重要性に向き合うことで、幸福度向上の必要性に気付くことが多くなったことや、②幸福度向上の必要性に気付いて行動した人、さらにその行動を長期間継続した人は、そうでない人に比べて幸福度が高くなっていたことなどが明らかになった。
  • さらに必要性認知のきっかけや行動開始、継続の理由から、人々が幸福度向上プロセスを先に進めるためのヒントが浮かび上がった。きっかけにおいては、「このままではまずいという自覚」「自分に大事なものの自覚」などの認知、行動段階では具体的なメリットややり方等の理解・納得、継続では「自己決定感」「手応えと習慣化」「楽しさの実感」などモチベーションの喚起がそれぞれキーとなっている。
  • 今回の調査の最大のポイントはライフデザインを行うことが、人々の幸福度向上プロセスを促進し、well-beingに近づくことの助けになることがわかったことにある。ここでいうライフデザインは「お金の計画だけではなく、仕事や家庭生活まで含んだ、それぞれの人が目指す夢や目標を含む」ものとして聴取した。well-beingとライフデザインの関係性の背後には、ライフデザインを考えた人が、それぞれ自分にとって大切なものに気付くきっかけを得る、取り組むメリットややり方が明確になる、行動の効果を実感しやすくなる、などの効果があったと考えられる。
  • 人々の幸せやwell-beingを国や企業が支援する際、国民や従業員一人一人が自らのライフデザインについて自分事として気づきを得る機会を提供し、それぞれの夢や目標に向けた行動を支えていくことの大切さが、改めて浮き彫りになった。

詳細につきましてはPDFをご覧ください。

村上 隆晃


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

村上 隆晃

むらかみ たかあき

総合調査部 マクロ環境調査G 研究理事
専⾨分野: CX・マーケティング、well-being

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