米国 CPIコアの上昇モメンタム強まる(24年3月CPI)  

 ~CPIコアは前年比で下げ渋り~

桂畑 誠治

要旨
  • 24年3月の消費者物価(総合)は、前月比+0.378%(前月同+0.442%)と低下したが、市場予想中央値+0.3%(筆者予想同+0.3%)を上回った。ガソリンなどエネルギーが前月比+1.1%(同+2.3%)と低下した一方、外食主導で食品が前月比+0.1%(前月同0.0%)と上昇したほか、エネルギー・食品を除く消費者物価(CPIコア)が同+0.359%(同+0.358%)と小幅上昇し、市場予想中央値の同+0.3%(筆者予想同+0.3%)を上回った。
  • 前年同月比では、総合が+3.5%(前月+3.2%)と上昇し、市場予想中央値+3.4%(筆者予想+3.4%)を上回った。食品が+2.2%(同+2.2%)と変わらずとなった一方、エネルギーが+2.1%(同▲1.9%)と上昇に転じたほか、CPIコアが+3.80%(同+3.75%)と上昇し市場予想中央値の+3.7%(筆者予想+3.7%)を上回った。
  • CPIコアの上昇モメンタムをみると、3ヵ月前対比年率で+4.5%(前月+4.2%)と高い伸びに上昇し、短期的なインフレ圧力が強まった。また、6カ月前対比年率で+3.94%(前月+3.85%)と上昇しており、中期的なインフレ圧力も再び強まった。さらに、CPIコアは前年比で+3.8%と高い伸び率で下げ渋っており、インフレが2%のインフレ目標に向けて低下を続けるとFRBが確信できる状況に至っていないことが確認された。
  • 予想を上回った3月CPI統計を受け、FF先物が示す5月FOMCでの据え置きの可能性は97.1%と高いまま。6月FOMCでは、据え置きが79.0%(前日42.6%)に上昇し、25bpの引き下げが20.6%(同56.1%)に低下した。

図表を含めた詳細は本文をご覧ください。

桂畑 誠治


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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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