- 要旨
-
- 日経平均は先行き12ヶ月31,500程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを10‐12月期に修正するだろう。
- FEDはFF金利を5.25%(幅上限)で据え置くだろう。利下げは24年1-3月を見込む。
金融市場
- 前日の米国市場は下落。S&P500は▲0.5%、NASDAQは▲0.2%で引け。VIXは13.9へと低下。
- 米金利はブル- フラット化。予想インフレ率(10年BEI)は2.226%(▲0.3bp)へと低下。
実質金利は1.501%(▲3.9bp)へと低下。長短金利差(2年10年)は▲97.0bpへとマイナス幅拡大。 - 為替(G10通貨)はJPYが最強。USD/JPYは141半ばへと下落。コモディティはWTI原油が70.5㌦(▲1.3㌦)へと低下。銅は8548.0㌦(+8.0㌦)へと上昇。金は1935.5㌦(▲22.9㌦)へと低下。
経済指標
- 5月米住宅着工件数は前月比+21.7%、149.1万件と市場予想を極めて大幅に上回った。既発表のNAHB住宅市場指数が住宅着工の大幅改善を示唆していたとはいえ、驚くほどの増加で住宅市場の底打ちを印象付けた。建設許可件数も前月比+5.2%と強かった。※グラフは3ヶ月平均値

注目点
- 半導体を中心とするIT関連財の生産集積地である台湾の製造業指標に底打ち感がみられている。6月20日に発表された5月の輸出受注は前年比▲17.6%と3月の▲25.7%を底に2ヶ月連続で下落率縮小。主因は輸出全体の6割強を占める電子製品と情報通信技術製品(ICT製品)の改善。電子製品は▲16.6%と3月の▲29.4%から持ち直し、情報通信技術製品も▲9.5%と3月の▲26.3%から改善。こうした台湾の輸出底打ちは世界的なIT関連財の需給引き締まりを通じて日本企業にも恩恵を与えると考えられる。

-
次に日銀短観の予測も兼ねてロイター短観に目を向けると、やはり製造業の回復傾向が見て取れる。自動車生産が回復しているほか、電気機器や精密などがIT関連財の市況改善を追い風に回復傾向にあることから5月は+3へと急速に持ち直した。電気機器や精密の改善は、鉱工業生産統計における電子部品・デバイス工業の出荷・在庫バランスが出荷増・在庫減方向に反転上昇していること整合的で好印象。また円安による収益嵩上げ効果も効いたとみられる。
-
非製造業の業況も回復力を増している。5月のDIは+25となった。個人消費の回復、中国を除くインバウンドの本格的再開、企業の旺盛なDX投資等が背景にあるとみられる。この間、類似指標のサービス業PMIは2007年の統計開始以来の高水準付近で推移している。
- 日銀短観の業況判断DIについて当社は大企業製造業が+2、非製造業が+23とそれぞれ改善を見込んでいる。日銀短観の業況判断DIと予想EPSには一定の連動性があることを踏まえれば、業況判断DIの改善はこの2ヶ月の日本株上昇を正当化する材料になる。また円安が進む局面では売上高経常利益率の改善を特に注目したい。TOPIXの予想EPSと日銀短観で示される売上高経常利益率は長期的に驚くほど一致している。急速な円安が観察された2013-15年、2022年に売上高経常利益率が上昇した経緯を踏まえると、今後アナリスト予想の上方修正が進む可能性が示唆される。

藤代 宏一
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。












