- 要旨
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- 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月130程度で推移するだろう。
- 日銀は現在のYCCを年内に修正するだろう(暫定)。
- FEDはFF金利を5.25%(誘導幅上限)まで引き上げるだろう。
金融市場
- 前日の米国株は下落。NYダウは▲1.6%、S&P500は▲1.6%、NASDAQは▲1.6%で引け。VIXは22.3へと上昇。
- 米金利はブル・スティープ化。債券市場の予想インフレ率(10年BEI)は2.249%(+0.8bp)へと上昇。実質金利は1.179%(▲18.5bp)へと低下。
- 為替(G10通貨)はUSD安傾向。USD/JPYは131半ばへと下落。コモディティはWTI原油が70.9㌦(+1.6㌦)へと上昇。銅は8888.5㌦(+131.0㌦)へと上昇。金は1949.6㌦(+8.5㌦)へと上昇。
注目点
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3月FOMCでは大方の予想通り25bpの利上げが決定され、FF金利(誘導目標レンジ上限)は5.00%とされた。金融不安は燻ぶるものの、インフレ退治を優先した形。
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声明文では「継続的な利上げが適切になると予想する(ongoing increases in the target range will be appropriate)」という政策金利の指針を「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する(some additional policy firming may be appropriate)」へと変更。利上げ終了が近いことを事実上宣言したと考えて差し支えないだろう。
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声明文には最近の金融不安についての記載が加わった。「米国の銀行システムは健全かつ強靱(The U.S. banking system is sound and resilient)」としつつも「最近の金融不安は家計と企業に信用状況の引き締まりをもたらす可能性が高く、そうなれば経済活動や雇用、そしてインフレの重荷になる(Recent developments are likely to result in tighter credit conditions for households and businesses and to weigh on economic activity, hiring, and inflation)」とされ、警戒感が滲み出た。
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注目の政策金利見通し(ドットチャート)は2023年末の中央値が5.25%(誘導目標レンジ上限)で前回から不変。ここから判断すると今次局面の利上げは次回5月FOMCにおける25bp利上げを以って終了する可能性が最も高い。無論、金融不安が台頭すれば利上げ停止の可能性は高まるが、これまでのところ金融システム全体が揺らぐには至っておらず、この状態が維持されるのであれば追加利上げが正当化されるだろう。
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2024年末は利下げが示唆されたものの、中央値は前回対比で小幅に切り上がり4.375%とされた。1回を25bpとすれば3.5回分相当の利下げ計画が示された形となる。2025年末の中央値は3.25%となり、2024年末対比4.5回分の利下げ計画が示された。中立金利は2.5%で不変。ただし、2024年以降の数値はインフレと金融不安の混在によって不透明感が高まっている現状、参考値程度の扱いに過ぎない感はある。

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記者会見でパウエル議長は、最近の金融不安の高まりを受けて「利上げ停止の可能性も議論した上で、今回の決定に至った」として、利上げ休止を検討していたことを認めた。また最近の金融不安が、引き締め的な金融環境を作り出すことを通じて利上げと同等あるいはそれ以上の効果をもたらすとも指摘。一方で現在の想定どおりに経済・物価情勢が進展するなら「年内の利下げは想定しない」とする姿勢は維持した。
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今回のFOMCを総括すると、事前予想対比でややハト派な印象であった。インフレ退治を継続する揺るぎない姿勢が維持されたとはいえ、金融不安に直面してやや慎重な姿勢が示されたことで、利上げ終了が間近に迫っていることが感じ取れた。
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これを受けて米債イールドカーブは短い年限を中心に大幅な金利低下で反応。株式が下落したのは、時同じくしてイエレン財務長官が「現在の1口座当たり25万ドルという預金保険の上限引き上げは検討していない」などと銀行破綻に際して一方的な救済措置に距離を置く姿勢を示したことが効いた形だ。当面の金融市場は、比較的小規模な米銀の経営不安が取り沙汰され、その動揺が広がることに警戒が必要だろう。また市況悪化の著しいオフィス関連不動産に投融資をしてきた主体(事業会社、ファンド、金融機関)の損失にも注意したい。
藤代 宏一
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