2021年・夏のボーナス予測

~前年比▲3.6%と減少を予想。支給見送り企業も増加の公算大~

新家 義貴

  • 民間企業の2021年夏のボーナス支給額を前年比▲3.6%と予想する(毎月勤労統計ベース)。なお、ボーナス支給がされない事業所が増加する可能性が高いことから、ボーナスの支給がない労働者も含めた平均では前年比▲5.0%となるだろう。

  • 4月6日に公表された2020年冬のボーナスは前年比▲2.6%となった。20年前半の景気の落ち込み度合いに比べて減少幅は小さいが、これはあくまで「賞与支給があった事業所における一人当たり平均」の値であることに注意が必要である。新型コロナウイルス感染拡大の影響で賞与が支給されない事業所が多かったことから、賞与支給のある事業所に雇用される労働者の割合は、前年と比べて3.1%ポイントも低下している。賞与が支給されなかった事業所も含めた全労働者一人当たり平均でみると、20年冬のボーナスは前年比▲6.1%と大幅に減少した。こちらの方が実感に近いだろう。

  • 21年夏のボーナスも減少は避けられない。企業業績は足元で持ち直しているが、20年前半の落ち込みが極めて大きかったことから、20年度全体でみると大幅減益となっている。こうした20年度の企業業績悪化が反映されることで、21年夏のボーナスは前年比▲3.6%の減少となるだろう。加えて、厳しい事業環境を受けてボーナスの支給を見送る企業も引き続き増加することが予想されることから、ボーナスの支給がない労働者も含めた平均では前年比▲5.0%となるだろう。景気の遅行指標である賃金についてはしばらく厳しい状況が続く可能性が高い。

  • 20年については、雇用者報酬が悪化するなかでも、特別定額給付金の支給によって所得が増加した世帯が多く、雇用や賃金の減少が消費の制約にはなっていなかった。だが、給付金の支給がない21年については、賃金の減少が可処分所得の悪化に直結する。今後はこうした所得の悪化が景気回復の頭を押さえる材料としてクローズアップされてくるだろう。新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じていることもあり、個人消費の先行きについては慎重に見ておく必要がある。

ボーナスの推移
ボーナスの推移
ボーナスの推移
ボーナスの推移
ボーナスの推移 全事業所における労働者一人平均
ボーナスの推移 全事業所における労働者一人平均

新家 義貴

新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部長・主席エコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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