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【1分解説】国際頭脳循環とは?

摩尼 貴晴

  音声解説

「国際頭脳循環」とは、異なる国や地域の人々が、自由に移動・交流・協働することで、新しい知識や技術を生み出すことを言います。国際頭脳循環と研究力には相関関係があることが知られており、我が国の科学技術・イノベーション力の強化に向けては、国際頭脳循環は必須の課題であると言えそうです。

自由民主党の科学技術・イノベーション戦略検討会が2022年12月に取りまとめた提言では、国際頭脳循環を強化するためには、日本の高度人材を「世界に送り出す」(アウトバウンド)、世界の高度人材を「世界から呼び込む」(インバウンド)ことが必要としています。また、政府も骨太方針2023で「戦略的な国際共同研究等を通じた国際頭脳循環を加速する」と謳うなど、国際頭脳循環の重要性を指摘しています。

わが国の将来の国力を左右する要素の一つは間違いなく科学技術・イノベーション力にあり、その源泉は人材に他なりません。経済安全保障の観点から頭脳流出には十分に注意を払う必要がありますが、国際人材交流を推進し、研究環境の国際化を進めることで、日本が国際的な頭脳循環のネットワークに入り込み、そのネットワークの中核を担うようになることが必要です。

この解説は2024年1月時点の情報に基づいたものです。

摩尼 貴晴


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