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【1分解説】リフィル処方箋とは?

摩尼 貴晴

  音声解説

2022年度の診療報酬改定により、処方薬の新しい受け取り方として、リフィル処方箋の制度が導入されました。リフィル(refill)とは、英語で「詰め替え」を意味し、リフィル処方箋とは症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方せんを最大3回まで反復利用することができる処方箋のことを言います。

米国カリフォルニア州では1951年、イギリス、フランスでも2000年代から既に導入されており、日本でも医療費の削減や患者の受診負担の軽減などを目的に2022年4月から導入されました。ただし、活用が進んでいるとは言えない状況であることから、国の政策方針を定めた骨太方針2023では「関係者・関係機関の更なる対応により、リフィル処方の活用を進める」と記載されています。

高齢化に伴い増加する医療費の削減は喫緊の課題です。今ではジェネリック医薬品の利用割合は約80%に達しましたが、その普及には10年以上の年月を要しました。リフィル処方箋においても、患者に対する利便性・安全性等の情報提供の充実のほか、2024年1月に予定されている電子処方箋のリフィル対応などの環境整備により、さらに活用が進むことを期待します。

この解説は2023年10月時点の情報に基づいたものです。

摩尼 貴晴


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