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【1分解説】IR(統合型リゾート)とは?

今泉 典彦

  音声解説

IR(統合型リゾート)とは、Integrated Resortの略で、カジノ、国際会議場や展示場、高級ホテル、劇場、ショッピングモールなどが集積した複合的な施設をいいます。わが国では、2016年に「IR推進法」が、2018年に「IR実施法」が成立しました。2023年4月14日に政府のIR推進本部は、大阪府と大阪市のIR整備計画をわが国で初めて認定しました。岸田総理もIRについて国内外から多くの観光客を呼び込むものとして、日本が観光立国を推進する上で重要な取組みだとしています。

大阪府と大阪市の区域整備計画によると、開業時期は早ければ2029年秋~冬頃で、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)を拠点とします。大阪のIRは成功例とされるシンガポールを参考にするもので、初期投資額は1兆800億円、年間来訪者は2000万人、毎年の経済波及効果は1兆1400億円、同じく雇用創出効果は9.3万人とされています。一方で、カジノを含む統合型リゾートということで、ギャンブル依存症の増加や治安悪化などを懸念する声もあります。政府はIRについて、当面は全国で最大3か所を認めるとしており、大阪府・大阪市が決まったことで、残り2か所の動向に注目が集まります。

この解説は2023年5月時点の情報に基づいたものです。

今泉 典彦


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