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いまやスマートフォンは、電話やSNS、動画視聴だけでなく、電子決済や動画編集など幅広い機能を持ち、現代生活に欠かせない存在となっています。日本国内の普及率は95%を超え、街でスマートフォンを持っていない人を見かける方が珍しいほどです。特にカメラ機能の進化は著しく、誰もが手軽に高画質な写真や動画を撮影できるようになりました。こうした便利さが当たり前になった今、逆に「あえて不便さを楽しむ」フィルムカメラの魅力が、静かに注目され始めています。
フィルムカメラは撮影時にフィルムの装填が必要で、その場で写真の確認もできません。現像には時間と費用がかかり、またフィルム自体も世界的にメーカーが少なくなり、価格が上昇しています。カメラ本体も希少価値が高まればプレミアム価格がつくこともあり、効率やコスト重視の現代社会の価値観からは「非効率」と映るかもしれません。しかし、多くの人がこの「不便さ・気まぐれさ」に特別な魅力を感じています。限られた枚数だけしか撮れない分、一枚ごとに込める思いが強くなり、現像が仕上がるまでわからないドキドキ感もデジタルにはない楽しみです。レトロなデザインや機械的な操作、シャッター音など身体で感じる感覚も、心惹かれる要素です。さらに、フィルム写真独特の粒子感や柔らかな色味、自然光の美しさにはデジタル写真では表現できない深みがあります。
こうしたフィルムカメラの魅力が若者を中心に再評価され、SNS上でもフィルム写真の投稿が増えています。有名アーティストや俳優が自身の作品を公開することで、さらに注目が集まっています。効率や即時性が重んじられる時代に、あえて手間をかけて写真を撮るという体験が、忙しい日常にゆったりとした時間をもたらしてくれるのです。スマートフォンに慣れた今だからこそ、フィルムカメラによる「不便さ・気まぐれさの魅力」に触れてみる価値があるでしょう。偶然の美しさや時間の流れを実感することで、新たな感性に出会えるかもしれません。デジタルが主流の今、あえてアナログの世界に足を踏み入れてみるのも一興です。
野﨑 ひばり
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。