Well-being QOLの視点『介護について~家族で介護の話をしてみませんか~』

上代 実志

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みなさんは「介護」と聞くと、どのようなイメージをお持ちですか。私は4世代での生活が長く、子どもの頃は曾祖父、大人になってからは曾祖母や祖父の介護を自宅で家族と行ってきた経験があります。近くに親戚が住んでいる環境だったため、家族だけで全ての介護を抱えるのではなく、2000年に介護保険制度が開始された後は、介護保険サービスを利用し、自然とみんなで助け合いながら介護をする状況にあったことから、介護は身近なものと捉えています。

現在は、家族構成や生活環境の変化など、さまざまな社会背景が考えられますが、介護の状況が変化してきています。国民生活基礎調査の概況をみると、主な介護者は「同居している家族」は減少し、「別居家族」や「事業者」が増加しています。(参考:資料1)

自分の状況を整理してみましょう

介護をすることになった場合に備えて、介護について知っていること・分からないこと、できること・できないことなど、今のご自身の状況を書き出し、整理してみましょう。

①介護保険制度を利用するための申請窓口や方法を知っていますか:介護を受ける方の市区町村の窓口で申請が必要です。原則本人または家族が申請する必要がありますが、地域包括支援センターなど代行してくれるところもあります。
②申請する際に必要なものは知っていますか:介護を受ける方の介護保険証が必要になります。第1号介護保険被保険者証は65歳の誕生月に市区町村から交付されていますので、確認しておきましょう。
③在宅介護と施設介護どちらを選びますか:在宅介護でも「介護を受ける方の住居で在宅介護の環境を整えるケース」「ご自身の自宅の近くに引っ越してきてもらい環境を整えるケース」などさまざまあります。施設介護の場合も「どのような施設が利用できるのか」施設によってもサービスや費用もさまざまですので、調べておくことも必要です。
④介護において何をどのように協力できそうですか:直接介護をすることができるのか、直接介護はできないけれど金銭的にサポートできるのかなど、具体的に考えてみましょう。
⑤会社の介護休業制度はどのようになっていますか:介護のために利用できる制度があるか。利用する場合の窓口や相談先などを確認しておきましょう。

家族構成や状況、介護制度も変化していきます。情報については時間のあるときに、調べて把握しておきましょう。

家族と介護について話してみましょう

家族で介護について話し合ったことはありますか。親は今まで通り生活できているし、『介護の話をする機会をもつことが難しい』と感じている方もいるかもしれません。実際、親の病気や入院、介護が必要になって初めて話し合う方が多い傾向にあるようです。

介護を受ける側の考えや要望、介護をする側の考えを事前に話し合い、お互いの想いを伝えておくことは大切です。介護の話題を出すタイミングによっては、話し合いがうまくいかないこともあるかもしれません。ですが一度で諦めずに期間をあけてみる、身近な人の介護の話題から話してみるなど、さまざまなアプローチをしながら話す機会をつくっていきましょう。

図表
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上代 実志


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。