- HOME
- レポート一覧
- 第一ライフ研レポート
- よく分かる!経済のツボ『「景気を把握する新しい指数」とは』
非製造業のデータを拡充し、幅広く景気を捉えた指数
内閣府は8月22日に、現行の景気動向指数を改良した「景気を把握する新しい指数」を参考指標として初めて公表しました。
景気動向指数とは、生産や雇用などの様々な指標を合成し、景気の動きを可視化したものです。これにより景気の現状把握が容易になりますが、景気動向指数は1950年代後半に開発されて以降、抜本的な見直しは行われておらず、経済構造の変化に対応できていないとの意見が増えていました。
近年問題になっていたのは、現行の景気動向指数の採用系列が製造業に偏り過ぎており、サービスをはじめとした非製造業の動向を十分反映できていないという点です。かつては、我が国の景気は製造業の動きでほとんど説明可能であったため、製造業偏重であっても大きな問題は生じませんでした。しかし、経済のサービス化が進み非製造業部門の重要度が高まるなか、こうした偏りによる弊害は無視できないものになっています。

こうした問題意識から新たに開発されたのが「景気を把握する新しい指数」です。この指数では、サービス業の動向を示す第3次産業活動指数、建設部門の活動を把握する建設出来高、ソフトウェア投資やサービス輸出など、非製造業関連のデータが多く追加されています。これにより、より幅広く経済活動を把握することが可能になります。その結果、現行の指数と比較して、よりGDPに近い動きとなっています。
また、新しい指数では、生産面(供給)、分配面(所得)、支出面(需要)の三面それぞれで指数を作成し、その結果を合成するという手法を取ることで、多角的に景気を把握することが可能になるほか、財、サービス別の経済活動も読み取ることができます。
新しい指数は参考指標としての公表となっていますが、これまで述べた多くの長所を持っており、景気の現状把握に有用と考えられます。今後、広く活用が進むことが期待されます。

新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 新家 義貴
しんけ よしき
-
経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測
執筆者の最近のレポート
-
実質賃金はプラス継続も、先行きは再び下振れリスク(26年8月毎月勤労統計) ~所定内給与は着実に増加で賃金の基調はなお良好。物価上昇が懸念材料~
日本経済
新家 義貴
-
消費者物価指数(東京都区部・2026年9月) ~特殊要因を除いても強い。財を中心に物価上昇圧力強まる~
日本経済
新家 義貴
-
企業部門の堅調さを再確認(日銀短観・9月調査) ~物価見通しの追加的な上振れはみられずも、インフレ警戒は継続~
日本経済
新家 義貴
-
日銀金融政策決定会合(2026年9月) ~3カ月で追加利上げ、焦点は今後の利上げペースへ~
日本経済
新家 義貴
-
消費者物価指数(全国・2026年8月) ~日用品を中心に値上げ広がる。秋以降は物価上振れの可能性大~
日本経済
新家 義貴