- 要旨
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- 日経平均株価は先行き12ヶ月42,000円程度で推移するだろう。
- USD/JPYは先行き12ヶ月155円程度で推移するだろう。
- 日銀は1月に政策金利を0.50%に引き上げ、25年末までに1.0%への到達を見込む。
- FEDはFF金利を25年央までに4.0%まで引き下げ、その後は様子見に転じるだろう。
金融市場
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前営業日の米国株は、S&P500が+0.1%、NASDAQが▲0.2%で引け。VIXは18.7へと低下。
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米金利はツイスト・スティープ化。予想インフレ率(10年BEI)は2.463%(▲0.2bp)へと低下。
実質金利は2.326%(+1.5bp)へと上昇。長短金利差(2年10年)は+42.1bpへとプラス幅拡大。
- 為替はJPYが最弱。USD/JPYは158近傍へと上昇。コモディティはWTI原油が77.5㌦(▲1.3㌦)へと低下。銅は9154.0㌦(+59.5㌦)へと上昇。金は2682.3㌦(+3.7㌦)へと上昇。
経済指標
- 12月景気ウォッチャー調査によると現状判断DIは49.9へと0.5pt上昇し、2ヶ月連続の改善となった。先行き判断は48.8へと0.6pt低下したが、両者の平均値は48.9へと0.7pt改善しており全体としてみれば街角景気は上向いている。

注目点
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筆者は来週24日の金融政策決定会合で利上げが決定されると予想する。昨日、氷見野副総裁が実施した講演に重要な示唆は含まれていなかったが、12月会合以降に得られた情報は、日銀支店長会議で良好な賃上げ環境が確認された他、毎月勤労統計では名目賃金がしっかりと上昇するなど利上げを正当化するものが多い。また「空白期間」も重要。日銀が「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」という基本方針を崩さない以上、2024年7月の前回利上げから半年以上時間を空けてしまうのは得策ではないだろう。利上げ観測が大幅に剥落することで過度な円安を招き、金融政策の自由度が低下してしまう恐れがある。
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氷見野副総裁の講演で市場関係者の耳目を集めたのは以下。
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①は、中央銀行のある種のお作法であり、利上げを検討するという当然のことを宣言したに過ぎない。ただし、2024年度と25年度の物価見通しが上方修正されるとの報道(ブルームバーグ)もあり、この点は利上げを後押しする。報道によれば、コメを中心とした食料品価格の上振れが主因で、円安や原油価格上昇も押し上げ要因になるという。物価見通しの上方修正に合わせ、政策金利を引き上げるというのは、お作法的にも都合が良い。
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②は、利上げを判断する際の超重要要素である賃金について、氷見野副総裁が合格と判定したことが窺える。特に支店長会議における定性的な情報は、今回重要であろう。植田総裁は、利上げを見送った12月の金融政策決定会合後の記者会見で「賃金動向についてもう少し情報が必要」と繰り返し言及していた。その情報に支店長会議における報告が含まれていたことは自明であり、日銀内部でプレ春闘と位置付けられていた可能性が高い。記者会見で「春闘の結果が判明するまで利上げを待つのか?」という趣旨の質問に対して、総裁は「(春闘の手前で)耳に入ってくる情報」もあるため必ずしも待つ必要はない、と回答していた。支店長会議の情報を基に1月の利上げを決定しても何ら齟齬は生じない。なお、氷見野副総裁は「各種アンケート調査でも、賃上げ予定先比率や賃上げ率は、前年並みないし前年を上回る結果が多いようです」と言及していたが、筆者の知る限り前年を上回るものは多いとは言えない。
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③は、やや深読みが過ぎるかもしれないが、金融市場(OIS)が織り込む1月の利上げ確率(1/6-1/10)が40~50%前後で推移するなど、利上げの織り込み度合いがさほど高まっていないことに問題意識を持った発言なのかもしれない(14日時点で60%超に上昇)。利上げの織り込み度合いを高めたいという含意があったかは不明だが、世界同時株安のきっかけとなってしまった2024年7月31日と同様の事態を回避したい思惑はあるだろう。
以上が氷見野副総裁の講演から得られた示唆であった。トランプ次期大統領の政策運営や春闘の結果を見極めるという点では3月が合理的であることから、「1月か3月の2択」という状況に変わりはないものの、「空白期間」や円安など諸点に鑑みれば1月の方が妥当な選択肢に思える。
藤代 宏一
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