Side Mirror(2025年2月号)

佐久間 啓

いよいよ2025年が始まった。Y2K騒動で始まった21世紀も、四半世紀が過ぎたことになる。21世紀初頭の長期計画では、2025年が最初のマイルストーンと位置付けられることが多かったように思う。この四半世紀、国際社会は目指すべき社会に近づけたのだろうか…なんてことを考えながら、そういえば今年は巳年だったことに気が付いた。

近年、年賀状じまいが増えて、干支を気にしなくなった人も多いが、株式相場の世界では“寅千里を走り、卯跳ねる”ときて、“辰巳天井”と言われており、辰年と並んで、巳年は一旦の高値を付ける年とされている。過去、巳年は、1989年、2001年、2013年。そして、2025年だ。それぞれの寅、卯、辰の動きを踏まえると、「確かに…」と言えないこともない。もちろん、一旦高値を付けるといっても、その後下落が続くということではなく、リズムの問題。12年後の市場は、足下の水準より高いと考えられるから、長期投資家にとっては話のネタ程度に考えておいて問題ないだろうが、相場の世界でリズムは大きな意味を持つのも事実。楽観論には注意が必要だ。

さて、2025年は第2期トランプ政権が発足する。2017年からの第1期政権期は、世界が、トランプ大統領の分断を煽るような発言に翻弄された時代ともいえる。あれから4年。社会の分断は、主要国で政治を動かすところまで進み、日本でも欧米型の分断が進みつつあるように感じる場面が増えている。

経済的な側面で言えば、中間層が薄くなって、上下にバラつきが大きくなり、平均値の意味合いが違ってきている点に注意が必要だ。以前は、平均値を見ていれば、全体を把握できたかもしれないが、今は、データのバラつきも合わせてみないと、対象の正しい全体像は見えないということだ。「木を見て森を見ず」と言うが、今や森だけ見ても意味はないが、では木を見れば良いかと言えば、逆に一部の特別な木を見て判断してしまうリスクもある。具体的な事実はいつの時代も確かな証拠であるが、もしその事実だけで単純に全体を説明するような話があれば、眉に唾をつけて聞いた方が良いだろう。

(佐久間 啓)

佐久間 啓


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