よく分かる!経済のツボ『キホンの経済!物価と景気の関係』

大柴 千智

目次

価格の決定と物価指数

モノの価格は「需要」と「供給」のバランスで決まります。需要が供給を上回れば価格は上昇し、逆に供給より需要が小さいと価格は下落します(資料1)。

「物価指数」とは、こうして決定されたモノの価格を総合し指数化した値です。特によく注目される物価指数として、企業間取引の際の価格に着目した「企業物価指数」や、消費者が購入する際の価格に着目した「消費者物価指数」等があります(資料2)。

資料1
資料1

資料2
資料2

物価の変動は「背景」を考える

景気の回復局面では物価上昇(インフレ)が起こる、と捉えられがちですが、物価上昇の背景を理解することがとても重要です。物価上昇の背景には、主にふたつのケースが考えられます。

ひとつは、モノを買いたいと思う人が増えることにより物価が上昇する「デマンド・プル・インフレ」です。この場合、需要の増加に刺激されて企業の生産量も増加することで、景気の好循環が生じることが期待できます。インフレの代表格ですが、長らくデフレの傾向が続いている日本では、なかなか実現できていません。

もうひとつは、原材料高によって物価が上昇する「コスト・プッシュ・インフレ」です。モノの価格にコストが上乗せされるイメージです。原油価格は需要要因以外にも、産油国を取り巻く政治情勢等、供給側の要因によって変動するケースも多くみられます。この場合は企業の収益を圧迫するため、物価が上がっても景気は悪化してしまう可能性があります。

日本銀行は「2%」の物価安定目標を掲げ、金融政策を運営しています。しかし、直近の消費者物価指数をみると、2%の上昇率には過去25年以上届いていません(資料3)。バブル崩壊以降、長らく続く需要不足によって景気の好循環が生み出せていないことが背景にあります。

資料3
資料3

大柴 千智

大柴 千智

おおしば ちさと

経済調査部 副主任エコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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