【1分解説】N放世代とは?

野﨑 ひばり

  音声解説

N放世代とは、韓国で若者を中心に広まった社会用語で、経済的な困難や激しい競争のため、多くのことを諦めざるをえない世代を指します。主に20~30代が対象で、2011年頃に登場した三放世代(恋愛・結婚・出産の3つを放棄した世代)が起源です。時代とともに諦める項目が増え、五放世代(三放+就職・マイホーム)、七放世代(五放+趣味・人間関係)へと変化しました。現在では、諦める項目が数えきれないことから、「N(不定数)」を用いてN放世代と呼ばれています。

この要因の一つに厳しい雇用環境があります。韓国では大企業と中小企業間の待遇格差が大きく、安定した職を求め競争が激化する一方で、就職競争に漏れた若者は長時間労働や非正規、低賃金に直面します。また、国民の半数が集中するソウル首都圏では住宅価格の高騰も重い負担となっており、若年層で安定した生活や人生設計を諦めざるをえない状況が広がっています。

この若者の絶望感は、労働市場からの離脱や低出生率という社会問題として顕在化しています。韓国統計庁によると、2024年における15〜29歳のうちニート(就学・就労・職業訓練をしていない)に該当する割合は15.8%で、OECD平均の12.8%を上回りました。さらに、同年の合計特殊出生率は0.75と、OECD加盟国で唯一1を下回り、少子化問題が深刻化しています。

この解説は2025年9月時点の情報に基づいたものです。

野﨑 ひばり


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