1分でわかるトレンド解説 1分でわかるトレンド解説

【1分解説】株主提案権とは?

河谷 善夫

  音声解説

株主提案権とは、一定の要件を満たす株主が株主総会の目的事項(議題)やそれに関する議案を会社に請求できる権利を指します。具体的には、原則として総株主の議決権の100分の1以上または300個以上の議決権を6か月以上継続保有する株主は、株主総会開催日の8週間前までに会社に対し提案請求が可能です。これらの要件(割合・数・期間)は、定款での緩和が可能です。会社は請求のあった議案を、他の株主に対し通知しなければなりません。別途、株主は総会当日にも、法令・定款等に基づく制限はありますが、議題の範囲内で議案を動議として提出することができます。

株主提案権は、少数株主による経営監視や取締役会への牽制の手段として、1981年の旧商法改正で導入され、現行会社法でも株主の要件等は維持されています。最近、株式分割の活性化により、所定の議決権数を取得する経済的負担が縮小する傾向にあります。またアクティビスト(物言う株主)の増加により、株主提案が活発化しています。経営への牽制の役割はあるものの、濫用的な提案も見られることから、企業側から規律の見直しを求める声が強まっています。2019年の会社法改正では、提案できる議案数の上限が新設されました。2025年4月から始まった会社法制(株式・株主総会関係)部会でも本制度の見直しが議論されます。

この解説は2025年7月時点の情報に基づいたものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。