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【1分解説】ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとは?

摩尼 貴晴

  音声解説

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指します。

このUHCを実現するためには、①物理的、②経済的、③社会習慣的、の3つのアクセスを改善することが必要と言われています。具体的には、①近くに医療施設がない、医薬品や医療器材がない、医師がいない、②医療費の自己負担額が多い、病気に伴い収入が減る、③保健医療サービスの重要性・必要性を知らない、言葉が通じない、などであり、これらを改善することで、誰でも必要なときに必要な保健医療サービスを受けられるようになることが重要です。

SDGsのターゲット3.8でも「すべての人々が、経済的リスクに対する保護、質が高く不可欠な保健サービスや、安全・効果的で質が高く安価な必須医薬品やワクチンを利用できるようになることを含む、UHCを達成する」ことを掲げています。

1961年に国民皆保険制度が確立したわが国でも、必ずしもUHCが実現しているとは言えません。日本を含む全世界の人々が、誰一人取り残されることなく、保健医療サービスを等しく享受できる社会になることを期待します。

この解説は2023年9月時点の情報に基づいたものです。

摩尼 貴晴


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