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2026.03.18
日本経済
マネー
資金循環統計(2025年10-12月期)
~過去最高の家計金融資産と低下の続く現預金比率~
星野 卓也
- 要旨
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- 資金過不足の構図は変わらず:イラン情勢悪化は企業部門に波及か
各主体の資金過不足のトレンドに大きな変化はみられない。家計の資金余剰はこのところ横ばい~若干の拡大傾向。内閣府の可処分所得・家計貯蓄率の統計では、実質可処分所得の下げ止まりがみられており、これに呼応した動きだ。雇用者所得のほか、財産収入の増加が可処分所得の増加に寄与していることが示されている。政府部門に関しては4四半期移動平均値の資金不足が拡大(同▲0.8兆円→▲1.2兆円)したが、程度は小さく、基本的に赤字縮小のトレンドが続いているとみて差し支えないだろう。政府部門の資金不足縮小に対応する形で、海外部門は資金不足拡大(経常黒字拡大)の傾向が続いている。 これらのトレンドを変え得るのは昨今のイラン情勢悪化である。資源価格の上昇は、海外部門の資金不足(日本の経常黒字)を縮小させる要因になる。ウクライナ危機時には企業部門を中心に資金余剰の縮小を通じて吸収している。政府の対策等にも左右されるが、資源価格の高止まりが続く場合は同様に海外部門の資金不足縮小と企業部門の資金余剰縮小が初期反応となる可能性が高いだろう。
- 家計:金融資産は株高を背景に過去最高更新
家計の資産側フロー(4四半期移動平均)をみると、10-12月期は+6.4兆円のプラスとなった。7-9月期は+5.9兆円であり、プラス幅は若干の拡大。4四半期移動平均ベースで内訳をみると、現預金が+1.3兆円、株式等投資信託が+2.3兆円(うち投資信託は+2.7兆円)で、特に投資信託への流入が引き続き多い。ただ必ずしも投信一辺倒というわけでもなく、資産種類ごとにみると債務証券が+0.9兆円、保険・年金・定型保証が+1.1兆円とフローは拡大している。インフレや金利上昇、新NISAなどのもとで現金から多様な金融資産へのシフトが続いている状況がうかがえる。
また、12月末の家計の金融資産残高は2,350.9兆円と前期(2,286.5兆円)から増加、過去最高水準を更新した。前年同期との差をみると、現預金は+5.3兆円、債務証券が+3.0兆円、株式・投資信託が+92.0兆円、保険・年金・定型保証が+8.4兆円だった。家計金融資産の増加の主軸となっているのは株式・投資信託であり、株価上昇による評価益の増加が背景にある。 なお、家計資産に占める現預金比率は48.5%。5割を下回った前期(49.1%)からもう一段比率が低下しており、着々と“貯蓄から投資へ”が進んでいる。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。