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- 都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2026/03)

加重中央値、最頻値、低変動CPIの伸びが低下
以前のレポートで試算した①東京都区部版の基調的インフレ率3指標、②日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した低変動品目CPIについて、本日公表の3月都区部CPIを用いて計算した。
計算値をみると、刈込平均値(全国ウェイト換算)は2月:+1.7%→3月:+1.8%、加重中央値(全国ウェイト換算)は2月:+1.4%→3月:+1.3%、最頻値は2月:+1.3%→3月:+1.1%(いずれも前年比)となった。また、全国版の低変動品目CPIは1月:+1.2%→2月:+1.2%、都区部では2月:+1.7%→3月:+1.5%となった。刈込平均(全国ウェイト)の伸びが加速する一方、加重中央値(全国ウェイト)、最頻値、低変動物価は伸びを縮小した。一定の底堅さを保ちつつも、基調的物価群の伸びは全般的に緩やかな縮小傾向にあるとの評価が妥当だろう。
日銀は昨日「基調的な物価上昇率の概念と捉え方」というタイトルでペーパーをまとめており、「基調的な物価上昇率」を①変動の大きい品目を除くアプローチ、②中長期予想物価上昇率を捉えるアプローチ、③経済モデルで推計するアプローチの3つに整理している。本稿作成値は①に相当するが、②の予想物価上昇率系の指標が全般的に高まっている状況だ。①に明確に落ち着きがみられる点は次の利上げまでの余裕を生む要素。イラン情勢影響の不透明感もあって4月利上げは見送られるとみているが、円安進行を抑える観点での利上げが選択される可能性も十分だ。最終的には為替次第であろう。

(参考文献)
星野(2023)「東京都区部版・日銀基調的インフレ率の試算」第一生命経済研究所 Economic Trends
星野(2024)「日銀の「第二の力」指標を再現してみた」第一生命経済研究所 Economic Trends
川本・中浜・法眼(2015)「消費者物価コア指標とその特性 — 景気変動との関係を中心に —」日銀レビュー・シリーズ、15-J-11
白塚(2015)「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」日銀レビュー・シリーズ、15-J-12
尾崎・神保・八木・吉井(2024)「賃金・物価の相互連関を巡る最近の状況について」日銀レビュー 2024-J-2
星野 卓也
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。