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2024.09.06
新興国経済
原油
産油国経済
OPECプラス、価格維持へ有志8ヶ国の自主減産を2ヶ月延長で合意
~12月以降の調整に柔軟性を持たせるなど価格重視姿勢、有志国の自主減産は再延長の可能性も~
西濵 徹
- 要旨
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- 主要産油国の枠組であるOPECプラスは5日にオンラインで閣僚会合を開催した。6月会合では協調減産の1年延長と有志国の自主減産の3ヶ月延長で合意したが、今月末に自主減産の延長期限が到来するなかでその行方に注目が集まった。他方、足下の国際原油価格は中東情勢の不透明感にも拘らず、中国の景気減速懸念に加えて米国景気の不透明感も重なり調整の動きを強めている。よって、今回の会合では有志国による自主減産を2ヶ月延長した11月末までとすることで合意した。また、12月以降のスケジュールは必要に応じて一時停止や増産に転じる留保条件を付記しており、価格維持を一段と重視したものと捉えられる。当面は世界経済の減速が意識される展開が見込まれるなか、OPECプラスとして現行の生産水準を一段と長期に亘って維持すると見込まれ、有志国の自主減産が再延長される可能性は高まっている。
主要産油国の枠組であるOPECプラスは5日にオンラインでの閣僚会合を開催した。6月に開催した前回の閣僚会合では、OPECプラス全体として実施している日量366万バレル規模の協調減産を1年間延長して来年末まで、有志国8ヶ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)による日量220万バレル規模の自主減産を3ヶ月延長して9月末までとした上で、10月以降に自主減産を段階的に縮小することで合意した(注1)。こうした背景には、OPECプラスが価格維持を重視する姿勢を強めていることが影響しており、その後の国際原油価格は中東情勢を巡る不透明感を理由に上振れする動きがみられるも、世界第2位の原油需要国である中国景気に不透明感がくすぶるなかで上値の重い展開が続いてきたことがある。さらに、足下では世界最大の需要国である米国経済の勢いにも陰りが出る兆しがうかがえるなかで国際原油価格は頭打ちの動きを強めており、年初来安値を更新する事態となっている。よって、今回の閣僚会合では今月末に期限を迎える有志国8ヶ国による自主減産の行方に注目が集まっていた。こうしたなかで今回の閣僚会合では、今月末に終了する有志国8ヶ国による日量220万バレル規模の自主減産枠について、2ヶ月延長して11月末までとすることで合意したことを明らかにしている。さらに、12月以降における自主減産幅の段階的な縮小スケジュールが示されているものの、期日を来年末までとする方針が維持された結果、来年10-12月については縮小ペースが幾分加速する内容となっている。ただし、自主減産の縮小ペースについては必要に応じて一時停止や元に戻す(再拡大)する柔軟性を持たせるとの文言が付記されており、この点ではOPECプラスが引き続き原油価格の維持を重視している様子がうかがえる。なお、このところのOPECを巡っては、協調減産が長期化するなかで全世界の産油量に占めるOPEC比率は低下を余儀なくされている上、財政面で原油関連収入に対する依存が高い国々において協調減産に反発する動きがみられる。こうしたなかで協調減産の枠外にある国々が産油量を拡大させる一方、有志国をはじめとする一部の産油国による減産に依存せざるを得ない状況にある。上述のように足下の国際原油価格が頭打ちの動きを強めていることを反映して、ロシア産原油にも同様に頭打ちする動きがみられるものの、依然として欧米などが経済制裁により設定した上限(1バレル=60ドル)を上回る水準を維持しており、OPECプラスの結束がロシアによるウクライナ戦争を事実上下支えする格好になっている。ただし、当面は世界経済の減速が意識されやすい状況にあることに鑑みれば、OPECプラスは現行の生産水準を一段と長期に亘って維持する可能性は高く、有志国による自主減産が再び延長される展開が続くものと予想される。


注1 6月3日付レポート「OPECプラス、協調減産を2025年末まで1年延長で合意」
西濵 徹
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 西濵 徹
にしはま とおる
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析
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