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2024.06.03
新興国経済
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産油国経済
OPECプラス、協調減産を2025年末まで1年延長で合意
~有志国の自主減産は3ヶ月延長後に段階縮小で合意も、相場下支えを重視した姿勢が続く模様~
西濵 徹
- 要旨
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- 主要産油国の枠組であるOPECプラスは2日の閣僚会合で日量366万バレルの協調減産を1年延長して2025年末まで、今月末に期限を迎える有志国8ヶ国の自主減産を3ヶ月延長して今年9月末までとすることで合意した。自主減産は今年10月以降に段階的に縮小される一方で相場の動向に応じて撤回する可能性を示すなど、相場下支えを重視している様子がうかがえる。他方、協調減産が長期化するなかで枠内の結束が弱まる動きがみられ、来年のOPECプラス全体の生産量は今年並みの水準で据え置くも国ごとの生産量は調整される。今後も相場下支えと枠内の結束維持のバランスを採る難しい対応を迫られよう。
主要産油国の枠組であるOPECプラスは2日に開催した閣僚会合において、昨年11月の会合において今年末まで延長した日量366万バレル規模の協調減産を1年延長して2025年末まで、今月末に期限を迎える有志国8ヶ国による日量220万バレル規模の自主減産を3ヶ月延長して今年9月末までとすることで合意した。なお、今年3月の閣僚会合では今年4~6月を対象にロシアが追加的に日量47.1万バレル規模の自主減産と輸出減少による供給抑制策を採っているが、こちらは当初の予定通り6月末で終了する見通しとなっている。他方、有志国8ヶ国による日量220万バレル規模の自主減産については今年10月以降に段階的に縮小することで合意する一方、国際原油価格の動向に応じて撤回する可能性に言及するなど、相場の下支えを重視している様子がうかがえる。今回の決定を受けて、来月から9月末まではOPECプラス全体として世界需要の約5.7%に相当する日量586万バレル規模の協調、および自主減産が行われることとなる。昨年来の国際原油価格を巡っては、最大の需要国である中国経済の減速懸念が重石となる展開が続いたものの、中東情勢の緊張感の高まりなど地政学リスクが意識されたことを受けて昨年末にかけては上振れする動きが確認された。その後は中国経済の底打ちによる需要回復が期待される動きがみられる一方、コロナ禍からの世界経済の回復をけん引した米国経済の勢いに陰りが出ているほか、供給面では世界最大の産油国である米国による増産を受けた供給拡大、中東情勢を巡る見方の変化などが影響を与えており、足下では直近のピークを1割程度下回る水準で推移している。他方、協調減産が長期化するなかでOPEC全体として世界の産油量に占めるシェアの低下を余儀なくされているほか、財政面で石油関連収入への依存度が高い産油国の間には反発を強める動きが出ており、昨年末にアンゴラはOPECを脱退したほか、加盟が期待されたブラジルもオブザーバー参加に留めるなど『遠心力』が働く動きがみられる。さらに、足下では協調減産の除外対象国であるリビアやイランが産油量を拡大させているほか、これら以外にもイラクやナイジェリア、ガボンなどが目標を上回る生産を続ける動きをみせており、協調減産の枠組が長期化するなかで形骸化が懸念されている。こうした事態を受けて、来年のOPECプラス全体としての生産量は日量3972.5万バレルと今年とほぼ同じ水準としているものの、国別の生産量についてはUAE(アラブ首長国連邦)が日量30万バレル、ロシアが同12.1万バレル、ナイジェリアが同12万バレル引き上げられるなど配慮せざるを得ない動きもみられる。今後もOPECプラスは相場の下支えを意識した姿勢を強めると見込まれる一方、結束の維持に向けた枠内バランスを採る必要にも迫られるなど難しい舵取りを迫られる局面が続くと予想される。

西濵 徹
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 西濵 徹
にしはま とおる
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析
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